オープンデータとその利点を最大限に生かすために企業ができること

公共機関や民間企業で共有されている自由な情報の宝庫。つまり、ビジネスの成功のためにデータを活用することが出来ます。

国や地方自治体、世界銀行や国際通貨基金などの非政府組織は、一般市民がデータセットにアクセスできるように、多くのウェブポータルを提供しています。また、いくつかの政府機関では、ビジネス団体を含む一般市民がアクセスできるように何百万ものデータセットを提供しています。したがって、地図や地理、個人消費、上場企業の財務報告、公共調達の契約など、さまざまなテーマのデータを無料で閲覧・ダウンロードすることが出来ます。

またGoogle、G2などの企業や、Facebook、Twitterなどのソーシャルメディアのプライベートなデータソースも存在します。世界中の検索行動に関する豊富なデータ(Google Trendsなど)はGoogleが提供しており、企業向けビジネスソフトウェアソリューションに関する数十万件のレビューのオープンデータセットはG2が提供しています

これらのデータの経済的価値を計算することは難しいですが、これらのデータを有効に活用することで、世界経済に数兆円の価値をもたらすことができると計算されています。

この記事では、企業がこのデータを活用してイノベーションを加速し、コストを削減し、競争力を高めるための方法をいくつか紹介します。

新規および潜在的な市場に対する、より多くの洞察を提供する

Googleの検索データを抽出・分析することで、企業は消費者の嗜好や関心を時系列で素早く把握することが出来ます。ユーザーは、Googleトレンドによって、あらゆる地域や国での検索キーワードの相対的な人気を時系列で具体的に追跡することが出来ます。statista.comによると、2022年1月にはインターネット検索の85%以上のシェアをGoogleが獲得しており、消費者行動の追跡がかつてないほど容易になったことを意味しています。

企業は、検索に関する洞察を、顧客の消費に関する公開データ、および他の政府系データポータルからの類似データと組み合わせることで、さらなる価値を実現することが出来ます。

データ駆動型製品の構築支援

さまざまな国で、公共部門の契約や支出に関する集合的なデータベースが誰でもアクセスできるようになっており、企業組織が公共購買機関に活動をアピールし、公共機関が調達から得られる価値を向上させるために利用することが出来ます。さらに、特定の公共データプロバイダーの加入者は、競合他社の公共部門契約が終了した際に通知され、結果的にビジネスの成長を先取りすることができるようになるのです。

米国では多くの企業が税関データを利用して、国際物流の改善に役立てています。

競合他社やサプライヤーをより深く理解することができます

海外の競合他社やサプライヤーのデータを収集することは、特に小規模な民間企業にとって難しい課題であることは間違いありません。競合他社の現在のビジネス・スナップショットをより良く理解するための戦略として、オンラインで求人情報をフォローすることが挙げられます。

企業は適切な社内スキルを使用した開発で、新製品を発売する前に採用することがよくあります。これは、求人情報収集サイトの助けを借りて、自動アラートや高度な検索を行うことで、より簡単に実現出来ます。

さらに、競合他社のオンラインレビューを調べ、全体的な顧客の好みに関する洞察を得るだけでなく、新製品の開発について調べることも有用です。これは、ビジネスの方向性をある程度理解するのに役立ちます。

費用対効果の高いデータ取得

公共データへのアクセスに必要なスキルとリソースを備えたデータチームがあれば、登録料を節約することが出来ます。フラットファイルのダウンロードよりもAPIを優先する公共データプロバイダーの増加に伴い、これはより現実的なソリューションになりつつあります。

外部データセットへのアクセスを得るために自社が費やしているコストを、オープンデータで代替できる機会もあると思います。いくつかの商用データサービスは、無料のオープンデータを基礎に構築されていることを忘れてはなりません。


最後に:

世界経済がよりデジタル化されるにつれて、ビジネスの成功のためにデータが果たす役割は、ますます重要になると予想されます。

確かにオープンデータは、企業のデータに対するニーズをすべて満たすものではありませんが、何らかの方法で企業のデータに対するニーズをかなり多く解決することができるため、検討する価値はあります。したがって、プロプライエタリなデータ資産とオープンなデータ資産を活用することが非常に重要です。